キャンピングカー冬のシーズン到来。
スキー場車中泊に冬のキャンプなど、氷点下を下回るような状況でもキャンピングカーなら安心して過ごすことができる。
しかし、車中泊にしてもキャンプにしても、それは現地のコト。実際にはその場所へ行く必要がある。
普通の車に比べて車両重量や高さ、大きさなどがちがってくるキャンピングカー。
そんなキャンカーで雪道を走るとどんな感じなのだろうか?普通の車みたいに走れるのだろうか?気をつけることはあるのだろうか?チェックをしてみよう。
キャンピングカーの雪道運転について
キャンピングカーといえども、通常のトラックやバンに架装をしてあることがほとんど。なので、通常のトラックやバンを運転する場合と遜色はないと考える。
しかし、普通の車と比べるとその車両重量は倍近くあることも。そうなるとキャンピングカーなりの雪道における注意点はある。
キャンピングカーの雪道運転についての考えや必要なことを見ていこう。
キャンカーのスタッドレスタイヤは必要?
キャンピングカーといえども、普通のトラックやバンがベースになっている。なので、それらの車にあったスタッドレスタイヤは必ずラインナップされている。
たとえば、ウチのアウトドアジュニアはトヨタのタウンエーストラック。
普通にスタッドレスタイヤは売っている。1本1万円ちょいで4本交換をすると交換工賃など含め約5万円ほどになる。
雪道を走る場合は、キャンピングカーでも必ずスタッドレスにするべきである。
それはチェーンを装着した場合でも、スタッドレスの威力は発揮する。
チェーンを履いていない、たとえばフロントタイヤが夏タイヤの場合だと、ブレーキは効かないし、ステアリングも効かない。
雪道は駆動輪にチェーンを履かせればいいというものではない。チェーンを装着していないタイヤもスタッドレスであることが雪道での安心を生む。
チェーンは必要?
普通自動車などと一緒でチェーンだけでいいでしょ?・・そう思う方もいるだろう。雪の降らない地域で、一時的なその場しのぎであれば、それでも問題ないだろう。
しかし、雪国の車中泊旅行やスキーキャンプ、スノーキャンプなどを考えている場合、チェーンはもちろん必須。
それは前述のスタッドレスタイヤを履いていてのこと。
キャンピングカーはその車両重量より、けっこう低速域ではスタッドレスタイヤでかなり走ることができる。しかし、速度が上がったり、上り下りがきつかったりすると、その車両重量があだになる。
さらに駆動方式が2WD、ほとんどのキャンピングカーがリア駆動であると思うが、そんな時リアだけにチェーンというのは本当に心もとない。
雪道走行をする場合、チェーンは必須。それもスタッドレスタイヤあってのこととなる。
スピードは出さないようにしょう
雪道走行で大切なのはスピードを出さないこと。これに限る。
スタッドレスタイヤを履いていれば、普通の圧雪路で走る分にはまったく問題ない。普通に走れることに驚くはずだ。
しかし、スピードが出ると、キャンピングカーの車両重量がブレーキングにのしかかる。
とにかく止まらない。リアにチェーンを装着してエンジンブレーキを最大限に利用をして減速に努めよう。
そして、とにかくスピードを出さないことが一番の得策と考える。
車間距離は多く取る
雪道走行において、前方車両との車間距離は多めに取ることはセオリーだ。
それは、ブレーキングの時に有効になるはもちろん、前に走っている車がトラブルを起こした時の回避行動マージンになる。
雪道ではみんなこわい。普通に前の車がスピンする。ガードレールに激突をすると、いきなり車は道の真中で止まる。
そんな時に車間距離が開いていれば、回避行動を取れ惨事を免れるワケだ。
自分のブレーキだけではない。相手もある公道上において雪道はいつも以上に車間距離を取ることおすすめする。
「急」のつく動きは禁物
雨の日の運転同様、雪道の運転で急の付く動きや行動は禁物。
当然のことながら、急ブレーキ、急発進、急ハンドル、急な車線変更などは行うことは控える。当たりまえね。
急ハンドルは特に危ない
急ブレーキは危ないが、新し目の車にはABS・アンチブレーキング装置が付いている場合もあるので、踏み込めるならブレーキは雪道でもしっかり目に踏むことになるだろう。
うちのアウトドアジュニアにもABSがついているので、雪道でキツめにブレーキを踏みつけるとベダルがキックバックする。
急ブレーキはABSの方である程度制御をしてくれるが、ハンドルはそうは行かない。
車両重量があるキャンピングカーで雪道において急ハンドルは、マジ危ない。
雪道でそんな急ハンドルにタイヤやグリップ力が対応できないのはもちろん、その後に来る揺り返しもかなりこわい。
キャンピングカーは車両の重心がかなり高い。グリップ力が少ない雪道で車体が振られると、制御できない挙動をおこすこと間違いなし。
急ハンドルは絶対にしないようにしよう。
北海道のホワイトアウト・強風

北海道の雪道はすごい。海岸沿いを走る分にはきちんと除雪され、問題はあまりないが、なんといってもその風の強さはびっくりする。
これは稚内を出て宗谷岬へ向かっているときなのだが、マジで風が強く、キャンピングカーだとフラフラする。強風にあおられスリップ、スピンしそうになるくらい流されるのだ。
さらに内陸部にちょっとでも入ると、とんでもない風雪でいきなり目の前が真っ白になる。
積雪量であれば、青森などのほうが年間積雪量は高いが、とにかくその低温と強風で北海道の雪道は非常にこわく、最新の注意を払って走る必要があるぞ。
4WDならスタッドレスだけで大丈夫?

冬は稚内の駅前も雪と氷でカッチンコッチン
雪が降っているところでも、山間部でも、4WDキャンピングカーであれば、4本のスタッドレスタイヤを装備すれば全く問題なく走ることができる。
数十年前の話だが、オレは年末年始毎年のように北海道へ車でスキーに行っていた。場所はニセコかルスツ。その時の車はハイエース4WDだった。ハイエース4WDに全輪スタッドレスをはかせれば、全く問題なく走ることができた。
スタックしたことも1度もない。ただ、アイスバーンに関しては手も足も出ない。ステアリングも効かなければブレーキももちろん効かないことは鮮明に覚えている。
その状況は今も変わらないはずだが、スタッドレスタイヤは毎年進化している。数十年前よりも間違いなく良くなっていることで、マージンは間違いなく上がっているであろう。
除雪がきちんと入る幹線道路やスキー場への道、雪国であっても地元の人が行き交っている道路であれば、キャンピングカーでも4WDであればスタッドレスだけで全く問題なく走破することは可能。
2WDの場合は、必ずチェーン必携ね。
冬の(北海道等)雪道を走ってわかったコト
キャンピングカーに限らず、冬の雪道を走ると、全身の神経が研ぎ澄まされていくことがわかる。
怪しいタイヤのグリップをステアリングに感じながらコーナーを抜ける時。ABS効き始めを探りながら慎重に踏み込むペダル。
リアが流れた時、優しくカウンターを当て、緩やかに操作するアクセルペダル・・・普通に夏タイヤでドライ路面を走るときとはその神経の使い方は雲泥の差となる。
それが重量が重く、重心も高いキャンピングカーであればなおさらだ。雪道をキャンピングカーで走ってみてわかったことをシェアしてみた。
4WD+スタッドレスなら全く問題なし
キャンピングカーでもハイエースでも4WD+スタッドレスという組み合わせであれば、雪道を恐れることはない。
もちろん、ドライ路面よりグリップは落ちるが、普通に走ることができる。
過信は禁物だが必要以上恐れることもないと考える。
いつもより車間距離を多めにとり、急のつく動作をしないよう、ブレーキ早めの、やさしいステアリング操作でキャンピングカーでも雪道は問題なく走ることができるぞ!
下りとカーブの手前ではきちんと減速
キャンピングカーに限らず下りのアプローチ、コーナー手前ではきちんと減速をすること。
車両重量の重いキャンピングカーで下りのオーバースピードや減速しきれていないコーナーの侵入はとても危険。アンダーが出ようものなら、まったくステアリングは効かないだろう。
特にコーナーに入る前にはきちんと減速を終了して、フロントに多少荷重が残っている時にステアリングを切り始めるとよい。ブレーキペダルを踏みながらステアリング切るとあぶねーぞ。
いつもより慎重にダウンヒルとコーナーのアプローチはしていこう。
重心が高い不安定さを意識する

スピードの乗る雪道の下り。さらにその先はカーブが・・・
キャンピングカーはとにかく重心が高い。ブレーキにしてもハンドル操作にしても、優しく扱い、できるだけ穏やかな荷重移動を心がけよう。
重心が高いと、結構怖いのは揺り返し。荷重がかかりきって、それがもとに戻る時に大きく返ってくる。
雪道でこの揺り返しがあると、予想をしない車の動きになる。雪道ではキャンピングカーが前後・左右に揺れ動くような雑な操作は厳禁と心得よう。
トンネル抜けるところや吹き溜まりは注意
北海道に限らず雪道で怖いのは滑る路面だけでない。トンネルを抜けたところや風の通り道となっているところで受ける、突然の横風はまじ怖い。
それもいきなりステアリングを取られるので、グリップのない路面と相まって恐怖の一言。
また雪の吹き溜まりは風の通り道ということと、いきなり雪が溜まっている。そのような状況で左フロントだけ取られると一瞬スピンアウトする。
丘になっている頂上のがコーナーしているところや風が抜けているようなブラインドコーナーのアプローチは特に気をつけよう。
アイスバーン・ブラックアイスバーンは慎重に走る

黒光りしているアイスバーンの路面
キャンピングカーに限らず、アイスバーン・ブラックアイスバーンはこわい。
北海道で言えば、留萌から稚内、オホーツク海の道は、そのすべてがアイスバーンと言っても過言ではないほどコチコチであった。
さらに夕暮れが近づき、日が暮れると気温がどんどん下がり、路面の状態はさらに悪くなる。
ニセコなどのスキー場への道は、日中は普通に走れ雪解けもしていたのに、日暮れとともに濡れた路面がどんどんと凍り始める。
ただ、キャンピングカーでも周りに車がいないで真っ直ぐの道であれば、普通に走れるので、必要以上に心配する必要はない。
雪道・圧雪状態よりも間違いなくグリップはなく滑りやすい状態になっていることは、念頭に置いて走ることだ。
チェーンは必要か?
キャンピングカーでも4WDで全輪スタッドレス装着して、とんでもない山道に入らなければ、チェーンはいらないと言える。
2WDの場合、全輪スタッドレスでもチェーンは必ず持とう。
ただ、北海道に限らず冬の天気はいきなり豹変をする。とんでもない積雪の場合、4WDでもスタックする恐れがあり、それはチェーンがあっても危ない
山岳部に入る場合、標高の高いスキー場などに行く場合は4WDでもチェーンを持っていくとよいだろう。
ちなみにオレが2回ほど行った冬の北海道ではチェーンを持ってはいなかったコトお伝えしておく。
雪道・通行止情報・天気予報をまめにチェック
道路状況をこまめにチェックすることは、雪道・雪国へ行く場合は絶対に必要と考える。
悪天候が予想される場合は、できればその場を離れ、安全な場所や平地、家に帰りやすい場所まで移動するなど必要もあるだろう。
よく通行止めになるような場所はあらかじめ分かるはずだ。また豪雪地帯を通る道やスキー場などは事前情報や今後の天気予報のチェックを怠ることは許されないぞ。
イエローサングラスは必需品
キャンピングカーにはイエロレンズのサングラスをぜひ入れておこう。
悪天候の場合、裸眼よりもイエローレンズのほうが視界がよくなる。
イエロー系のレンズはものをはっきりと見せてくれる、コントラストの効果がもっとも高い色となっている。
吹雪など視界の悪い時はもちろん、夕方や夜間のドライブにはかなり有効だ。日差しカットの効果は期待できないので、複数枚レンズの同梱されたサングラスセットはマジでおすすめしておく。
積雪が多い場合ワイパー立てるな
雪の時にワイパーを立てておく場合はあると思う。普通の車であれば、これは問題ない立てておくことでフロントガラスに積もった雪の重さでワイパーに無理がかからず、またウィンドウに張り付かない。
しかし、キャンピングカーの場合はご覧いただければわかるようにバンクベッド上に大量の雪が積もる。またバンクベッド形状によっては、積もった雪が一気に落ちてくるだろう。
これがワイパーに直撃をする場合がある。
なので、降雪量によってはワイパーを建てないほうがいい場合があるのでTPOによってワイパーの位置を考えよう。
この程度の雪であれば、ワイパーは立てておいたほうがよいと考えるぞ。落ちた雪もちょうどワイパーの根っこに着地しているしね。
雪かき・下ろし・ブラシバーを揃えておく
駐車中にキャンピングカーに積もった雪や凍ったウィンドウを削る、このようなスノーブラシを必ず揃えておこう。
大切なのは黒い部分に付いているスクレーパーだ。これにより凍りついたウィンドウの氷を削り取ることができる。
キチンと雪を落としてキャンピングカーを運転することは、自身の安全はもちろん、雪を落として後続車に危険にならないようにするため絶対に必要アイテムだ。
スコップを揃えておく
降雪のあった駐車場からスタートするときなど、積もった雪を除雪する時スコップは絶対に必要。手じゃ無理よ。
やむおえず車中泊でエンジンつけっぱなしにする場合もマフラー付近の雪を除雪する場合も必要。
さらに雪だるまや雪遊びする場合なども威力を発揮する。
ヘッドライト・蛍光ベスト・防水手袋の準備
その他に雪道・雪国にキャンピングカーで行く場合必要な装備を列記する。
アマゾンでも売上1位をほこる国産のトモライト。
あまりの売れ行きに中国人の妨害、嫌がらせを受けるほど。販売再開をしたらすぐにゲットしておこう。
雪の中に限らず、手持ちの懐中電灯はダメ。絶対頭に装着をするヘッドライトを使うことおすすめする。
雪の中な視認性が悪い。夕方になれば、その視界は悪くなる一方だ。
路肩でチェーン装着などをやる場合、視界が悪い場合の除雪など、必ず反射ベストや蛍光材の着いた蛍光ベストなどを着用しよう。
すべては身の安全を守るためだ。
雪の中の作業や除雪は軍手ではダメよ。
ここは防寒作業用の業務手袋では筆頭のショーワグローブ防寒テムレスを揃えておこう。
手袋内部に起毛パイル地で雪の中の作業性は抜群。防水性は間違いない。
まとめ
キャンピングカーで雪道、雪国へ行くのは本当に楽しい。眼の前にどんどんと積もる雪を見ながらの雪見ビールは格別だ。
普通の車やミニバンの車中泊では味わえない極楽のウィンターレジャーと考える。
しかし、夏のキャンピングカーと違い、やはり雪は怖い。ぜひとも雪道・雪国にトライする場合、十分すぎるくらいの準備・用意をしていこう!